抗不安薬・抗うつ薬 どういった症状の時に使用する?

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比較的よく使用される種類に「抗不安薬」と「抗うつ薬」があります。

前者は一般的には“安定剤”とも呼ばれ、不安・緊張やイライラ感を鎮める作用があり、寝る前に服用して眠りやすくする目的でも用いられます。

後者は“うつ病・うつ状態を治療する薬”であり、意欲低下・悲哀感・不眠といった鬱の症状を包括的に改善する薬です。ただ、抗不安剤は抑うつ(軽度のうつ状態)にも効くとされていますし、抗うつ剤の中には不安を和らげる効果が特長となっている種類もあり、効能が重複する側面もあります。

 

まず抗不安薬ですが、用法について服用時間等は特に定められてはいません。

1日3回など回数を決めて毎日飲む場合もあれば、不安やイライラ感が強くなったときだけ飲む不定期な服用(頓服)でも良いとされます。

比較的即効性があるため、日頃は特に困っておらず特定の場面(例:電車や飛行機等の乗り物に乗るとき)だけ不安・緊張が強くなる人は、苦手な場面でのみ服薬して症状を抑える方法=頓服が有効な手段となります。このように使い方が自由に調整しやすい利点がありますが、一方では依存性・耐性が欠点となります。

症状が強い場合に効果のある抗不安剤に頼る機会が増えると、薬の量が次第に増え、更には薬に慣れてしまい最初よりも効果が感じられにくくなってくる変化が起こり得るため、注意が必要です。

 

一方、抗うつ薬は用法が定められています。

種類によって異なりますが、1日1~2回、夕食後や寝る前…というように、飲む回数・時間帯まで推奨される飲み方が決められています。また、抗不安剤に比べると効き目が現れるのが遅く、飲み始めてから効果発現までに約2週間以上の期間が必要であるとされます。

更に副作用が出る場合は効果よりも早くに現れてしまい、体質に合わないときには飲み続けられないこともあります。しかし、副作用なく効果が現れ始めると継続して効能が発揮されるため、頓服を繰り返す必要はなく、また抗不安剤に比すると依存化・耐性形成も目立たないとされます。

以上のような特性の違いがあるため、服薬の必要がある際には、それぞれの人に合った種類と飲み方を探すことになります。

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