1、カトリックのチョコレート論争から表記が「ホットチョコレート」から「チョコレート」に変わっていますが、ここでの「チョコレート」はホットチョコレート(液状)のことでしょうか。
(回答)
チョコレート全般を指しています。
2、チョコレートハウスとはどのようなものですか。施設ですか。
今でいうチョコレートショップ(販売店)のようなものですか。カフェですか。
(回答)
ロンドンにあるチョコレートハウスは、歴史が古く、17世紀には既に存在していました。当時、チョコレートはまだ贅沢品で、王侯貴族や上流階級の人々にしか楽しまれていませんでしたが、18世紀にはチョコレートが広く一般に普及し、ロンドンにも多くのチョコレートハウスがオープンしました。当時のチョコレートハウスは、社交場としての役割が大きく、上流階級の人々が集まって政治や文化について論議したり、音楽を楽しんだりする場所としても利用されました。
19世紀には、工業化が進み、チョコレートの生産量が増え、より多くの人々が楽しめるようになりました。また、チョコレートハウスもカフェやレストランとしての役割が強くなり、より広い層の人々が利用するようになっていきました。
現在のロンドンにあるチョコレートハウスは、歴史的な建物を利用したものや、最新のテクノロジーを活用したものなど、様々なタイプの店舗があります。多くの店舗が高品質のチョコレートやスイーツを提供しており、チョコレート愛好家にとっては訪れる価値のある場所となっています。
3、18世紀はまだ固形のチョコレートが開発されていませんでしたが、ここでいう「チョコレート」はホットチョコレートで、ホットチョコレートが一般化し、販売され、ホットチョコレートからチョコレートクリームやマカロンが作られたということでしょうか。
(回答)
おっしゃる通り18世紀には固形のチョコレート開発前になりますので、チョコレートクリームやマカロンのようなスイーツは、液体状チョコレート(ホットチョコレート)へ砂糖やバター、牛乳などを加え、より滑らかで甘い味わいのクリームや、アーモンド粉や砂糖、卵白を混ぜ合わせて焼いたマカロンが作られていました。
4、「色調も鮮やかなブラウンとなり」とありますが、アルカリ処理していないものはどんな色だったのですか。
(回答)
一般的に赤みがかった茶色や深い茶色をしています。
5、「カカオのペースト」という記載がありますが、現在のようにココアパウダーを加えずに液状にする技術がなかったということでしょうか。
(回答)
当時、ココアパウダーを使用しなくてもチョコレートを液状にする方法はありました。チョコレートを液状にするためには、カカオ豆を砕いて溶かし、精製してからバターを加える方法が用いられていました。この方法は、手間がかかり、コストが高いことから、一部の製造者にしか採用されていませんでした。また、チョコレートを液状にするために水や牛乳を加え、加熱する方法もありました。この方法は、ココアパウダーが一般的になる前に、広く使われていました。
カカオのペーストを使用したのは、当時のチョコレートは液状で販売されていたため、簡単に運搬や保存ができず、また販売価格も高価であったため、固形化することで手軽に消費できるようにするためです。
6、コンチングによってどう内部の水分が飛ぶのですか。また現在のコンチングマシーンも内部の水分を少なからず飛ばしているのですか。
(回答)
コンチングによって、チョコレート内部の水分が飛ぶわけではありません。コンチングによってチョコレート内部の水分が減少することは、温度と時間の効果による間接的なものです。
コンチング中にチョコレートの温度が上昇すると、水分が蒸発してチョコレートの粘度が下がり、均質性が高まります。また、コンチング中に混入される熱量により、糖や脂肪が溶け出して均一に分散し、微細な粒子が生成されます。これにより、舌触りや風味が向上することが知られています。
7、「カカオ豆を固形に加工販売するという事業」とありますが仕業用でしょうか。食用だとしたら板チョコレートと何が違うのでしょうか。
(回答)
「カカオ豆を固形に加工販売するという事業」は、仕業用(原料用)として用いられることもありますが、それだけではなく、食用としてのチョコレートやココアパウダーの原料としても使用されます。また、カカオ豆を固形に加工することで、チョコレートやココアパウダー以外にも、カカオバターやカカオマスなどの製品が生産されます。