子ども心理講座 マズローの欲求階層説について

子供心理講座

【質問内容①】テキスト01 P7

1.マズローの欲求階層説について「階段を飛ばすことはありません」と書かれていますが、例えば戦争や地震などで家を失ったり、身の危険を感じている時に家や財産(安全欲求)よりも家族や友だち、仲間(社会的欲求)が欲しいと感じつこともあるのではないでしょうか?

 

【回答①】

1.マズローは当初、人間はこれらの欲求を下位の階層から上位の階層へと順序良く満たしていくと考えました。

つまり、下位の欲求が満たされなければ、上位の欲求には焦点を当てられないとされていました。

しかし、危機的な状況やストレスの多い環境下では、人々は安全欲求や生理的欲求を満たす前に、社会的欲求や承認欲求に集中することがあります。

たとえば、戦争や自然災害のような状況では、人々は安全や物質的なものよりも、家族や友人との絆を求めることが多いです。

 

※マズロー自身も後年、欲求階層が厳格な順序を持つわけではなく、個人によって、また状況によって異なる可能性があることを認めています。

したがって「階段を飛ばすことはありません」という表現は、マズローの理論を厳格に解釈した場合のものであり、

実際の人間の心理や行動を完全に捉えるものではないと言えます。人間の欲求や行動は柔軟で変動しやすいものであり、多様な状況や個人的な経験によって異なることを理解することが重要です。

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