①私たちが日常生活を送る中で、怒りを感じる瞬間は度々あります。怒りを感じると、自分自身も穏やかな気持ちではなくなってしまいます。しかし、怒りの感情は「自分を守るための感情」だと心理学の中ではいわれています。
怒りは自動的に発生するのではなく、段階を踏んで生まれるものです。
① 出来事に遭遇する
② 出来事に意味付けをする
③ 怒りが発生する
「こうあるべき」という「コアビリーフ」に基づいて、②の意味付けをします。ここを修正するのが、「アンガーマネジメント」の重要なポイントです。
そのため、他人のためだけに起こる「怒り」というのは存在しません。
②4つの目的を果たそうとして現れる怒りですが、最初に感じるのは怒り以外の感情です。そのあとに怒りに変わるため、最初に感じたものを奥に追いやってしまい、気づいていない人もいます。
最初に感じる感情を一次感情と言い、『悲しみ』『虚しさ』『苦しみ』『心配』『さみしさ』などがあります。
これらの一次感情が大きければ大きいほど、二次感情である怒りとして表現されます。怒りは一瞬で湧いてくるので、一次感情に目を向ける時間がないのです。
■心配が怒りに変換された例
彼女が彼との待ち合わせに、連絡をせずに30分遅れてしまった時の会話です。
彼女:「遅れてごめん」
彼:「遅れるなら連絡くらいしろよ!ったく!」
彼は待っている間に、急用ができて来れなくなったのではないか、途中で事故に巻き込まれたのではないかと心配をしており、やっと現れた恋人を見て安心したと同時に心配が怒りに変換されたのです。
■虚しさが怒りに変換された例
上司から何度も同じことを指導されたにも関わらず、部下が同じ失敗を繰り返したときのケースです。
上司:「何度言ったらわかるんだ!先週もその前も同じことを伝えたよな?いい加減に覚えてくれないかな。あと何回言ったら覚えるんだ?」
という叱咤を受けた時、上司の中では何度も言ったことを覚えてもらえない虚しさと悔しさがあり、これらの感情が怒りとして表現されています。