ドッグトレーニング 基本/プラチナコース
◆テキスト名: 咥えた物を離させる方法
◆該当ページ: 60
◆該当行数: 11
◆質疑分類: その他テキストに関すること
◆質疑内容: 5ヶ月 メスのパピヨンで実践中。
最近、何か離して欲しい物を加えている時
警戒があるのかおやつやおもちゃを使っても近寄らず、むしろスタスタと少し離れます。勿論、むやみに近づくと焦って食べたり誤飲を即すことになるので、おやつのばら撒きや、大好物の歯磨きガムでなんとか「交換」できている感じです。
これは、咥えている時に関わらず、近くに来て欲しい時にも警戒します。
来るのですが、少し距離を置いた状態ですごく様子を伺う様になっています。
お手入れの練習や、娘が必要以上に抱っこをしたがってしてたのが原因ではと考えています。
でも、これではいざと言う時に困ってしまうため、改善方式や対策を考えているのですが、どの様な方法でどうステップを踏めばいいのでしょうか。
また、こうなる原因や環境や接する側の意識や行動を改善するべきポイントがあれば教えて頂きたいです。
回答
犬が自分の所有物だと思っているものを守るためにみせる所有性攻撃行動。
自分のモノとは、食器、ガムのおやつ、お気に入りのおもちゃ、盗んだり見つけたものなどです。
自分のものは大切ですし、ましてや自分で獲得したものであれば、価値のある宝物のようなものですから、それを取られまいとして守ろうとする反応は正常の範囲内といえます。
・この行動を防ぐには
まずは、奪われて困るものは、犬の届かない場所に保管して、飼い主さん側できちんと管理をすることが大切です。与えたおもちゃを取り返そうとした時に、攻撃性が見られるようでしたら、無理やり奪うのはやめましょう。
攻撃性が出るのを予防するためには、普段からおもちゃやボールなどを使って、「放して」のトレーニングをしておくといいでしょう。トレーニングする際には、犬にとってくわえているものよりも価値の高いごほうび(特別なおやつなど)を用意しておきます。そして、「放して」という号令と同時に、そのごほうびを与えます。それを何回も繰り返し練習し、最初は号令と同時に与えていたごほうびを、口から放して落としたときだけ与えるようにするなど、少しずつレベルアップをしていきます。最終的には「放して」という号令だけで口から落としてくれるようになることを目指します。ちなみに、このトレーニングの際には、放した後に言葉で誉めたら、ご褒美として再びそのおもちゃやボールを返してあげるという方法も不定期にやってあげてください。ちゃんと放してくれたら「また返すんだよ。必ずしも奪うとは限らないんだよ」ということを知ってもらうためです。
・危険なものをくわえていたら
場合によっては命に関わることもありますので、飼い主さんも慌てて口に手を突っ込んで奪い返そうとしがちです。そうすることで、犬は余計に取られまいと必死になって攻撃性が悪化したり、慌てて飲み込んでしまったり、もしくは、くわえ直そうとした時に取ろうとすると、あなたの手も一緒に咬まれてしまうことがあります。よって、決して慌てずに対応するようにしてください。
犬の関心を他のことに向けさせる(例えば、散歩に行く、車に乗る、ドアのチャイムを鳴らすなど)ことによって、ものを放すことがあります。もちろん、さきほどご紹介したトレーニングを普段からやっている場合は、それを落ち着いて実践してみてください。