音楽療法 解離性障害 サウンドスケープ 

【ファイル名】
音楽療法
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テキスト01 24ページ

【質問内容】
質問①
解離性障害には音楽療法は適応しない方がよいのはなぜですか?
効果がないということでしょうか?

質問②
サウンドスケープを音楽療法として利用する場合はどのような点に注意したらいいでしょうか?
現状はどういうケースに使用されていますか?使用例などありましたら教えてください。

【回答】
質問①
解離性障害には音楽療法は適応しない方がよいのは、主に解離性障害の特性に由来します。
解離性障害とは、心的外傷への自己防衛として自己同一性を失う状態であり、
解離とは意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態を指します。
この障害では、患者が現実感を失ったり、自分の体や行動が他人のものであるかのように感じることがあります。

音楽療法は、感情や記憶にアクセスし、それを解放する手段として用いられることが多いため、
解離性障害の患者にとっては、過去の心的外傷や解離を引き起こす出来事を想起させるリスクがあり、症状を悪化させる可能性があります。
したがって、解離性障害の患者には音楽療法を避け、他の治療法が推奨されることが一般的です。
これは効果がないというよりも、むしろリスクが高いための対応です。

質問②
サウンドスケープを音楽療法として利用する場合に注意すべき点と現状の使用例について説明します。

▼注意点
環境設定: クライアントがリラックスできる環境を整えることが重要です。
雑音が少ない静かな場所を選び、外部の干渉を最小限に抑えることが求められます。

音の選定: クライアントの感情や心理状態に適した音を選ぶことが重要です。
特定の音がトリガーとなってストレスや不安を引き起こす可能性があるため、個々のクライアントの反応を慎重に観察します。

クライアントのフィードバック: セッション中や後にクライアントからフィードバックを得て、音の影響を評価し、必要に応じて調整します。

安全な環境: サウンドスケープは、クライアントが安全に感じる環境で実施することが重要です。
クライアントが安心できるようにするための措置を講じます。

▼使用例
サウンドスケープは、リラクゼーション、ストレス管理、集中力向上などの目的で広く使用されています。以下にいくつかの使用例を挙げます。

リラクゼーションとストレス管理:
サウンドスケープを利用して自然の音(波の音、鳥のさえずり、風の音など)を再生し、クライアントにリラックス効果をもたらす。
瞑想やマインドフルネスのセッションに組み込んで、心を落ち着かせる手助けをする。

集中力向上:
作業中や学習中に背景音としてサウンドスケープを使用し、集中力を高める。
特定の環境音を用いて集中力を促進する音響環境を作り出す。

睡眠改善:
就寝前にリラックスできる音を再生し、入眠を助けるために使用する。
睡眠障害を持つクライアントに対して、夜間の環境音として自然音を提供する。

セラピーセッション:
セラピストがクライアントと一緒に特定の音に集中し、リラクゼーションを促す。

具体的なケースとして、サウンドスケープが瞑想プログラムやマインドフルネスのセッションで用いられることが多いです。
また、ストレスの多い職場環境において、従業員のストレス軽減や生産性向上を目的としたリラクゼーションセッションにも活用されています。

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